(2025.07.18)地域開発委員会主催シンポジウム「干潟を活かした地域づくり」~和歌の浦干潟のラムサール条約登録に向けて~を開催
環境と人々を結びつけた「持続可能な観光地域づくり」のため、当所地域開発委員会では和歌の浦干潟のラムサール条約登録に向けた取組を行うこととし、この度、ラムサール条約の基礎をはじめ、和歌の浦干潟を登録することによるメリットや地域の今後について考えるシンポジウムを開催しました。
冒頭、樫畑地域開発委員長が、本シンポジウムを開催するに至った経緯と、和歌浦が万葉の時代からその風景が愛されてきた歴史ある場所であること、また、昭和時代の「新日本観光地100選」において海岸美日本一に選ばれた景勝地であることなど大きな可能性を秘めた地域であることを、多くの人に知ってもらいたいという思いで本シンポジウムを企画したことが語られました。
次に、和歌山大学教育学部の古賀庸憲教授と、奈良女子大学名誉教授であり和歌山県立自然博物館長の和田恵次氏から、ご講演いただき、和歌の浦干潟が、和歌山県内の主要な干潟の中でも生態系に重要な役割を果たす底生無脊椎動物(エビ、カニ、貝類など)が多数確認される生物多様性に富んだ干潟であることなどが紹介されました。
続いて行われたパネルディスカッションでは、和歌山県立南紀熊野ジオパークセンター主査研究員の本郷宙軌氏から、「ラムサール条約湿地『串本沿岸海域』~特徴と登録の取り組み~」と題した説明があり、すでに条約登録されている串本沿岸海域の特徴や、串本町における保全活動の実践事例が紹介されました。
また、地域開発委員会副委員長である南海電気鉄道株式会社和歌山事務所の杉本吉史所長から、ラムサール条約登録に向けた今後の行程について説明がありました。登録には、行政の理解と協力が不可欠であること、そして、国際的な自然保全データベースであるOECM(その他の効果的な保全手段)への登録を優先的に進めていく必要があるとの方針が示されました。
今回のシンポジウムは、和歌の浦干潟のラムサール条約登録に向けたキックオフセミナーです。行政や関係団体等が一体となって和歌の浦干潟をラムサール条約登録に向けて活動を展開していきます。

